東京フラクタル

忠犬ハッチの毒出しブログ

『ちはやふる』

広瀬すずが好き。

若いのに女優であることをしっかりと自覚しているようなところが好き。
いつかの失言では炎上してたけれど
まさに主役として生まれてきた人の言葉だと思った。
あの堂々たる存在感と可憐さはたぶん20年に一人の逸材で
これからは吉永小百合のような日本を代表する女優になってくれるに違いない。

映画といえばもっぱら洋画ばかりで邦画を観ることはほとんどない。
ホラー映画もしみったれた映画も好きではないので
邦画といったら『ウォーターボーイズ』とか『ピンポン』とか
フラガール』とか『Shall we dance?』とか青春を何かにかける的な
夢と友情と淡い恋心と汗臭いスポーツものばかりになってしまう。

だから今回『ちはやふる』は絶対観にいかなければと思っていた。
前編と後編に分かれているので、かるただけにかったるいなと思っていたら
ちょうど目黒シネマで上の句と下の句が上映しているというではありませんか。

というわけで先日はヘンリー・カビル様目当てで目黒シネマに行きましたが
今回はすずちゃん目当てで『ちはやふる』を観に行きました。

 

主役のすずちゃんと個性あふれる仲間たち。
部員みんなで山に登るシーンになぜだか涙が出てきてしまった。
もう戻れないあの時代という思い出補正も相まって
まっすぐでひたむきでキラキラしていたあの頃の夏の思い出が
愛おしくってしょうがない。

ライバルたちもみんなひたむきで応援したくなるキャラで
松岡茉優演じる高校生クイーンのしのぶさんは
ダッサいTシャツに水筒でいかにもかるたバカがにじみ出ててよい。

ドSくんはすずちゃんの可愛さにノックアウトされてしまったに違いない。
歴代のマル秘ノートをあっさり手渡してしまうなんて
あれはすずちゃんの一生懸命さに心を打たれたわけではなく
ええかっこしいしたかったからに違いないと汚れたアラサーは理解した。
ドSキャラを演じていたのもかわいいすずちゃんにごめんなさいを言わせて
アドバンテージをとりたかったんだよね。ニクイね。

部長の太一くんは二十歳過ぎで高校生役を演じるというぎこちなさと
すずちゃんの迫真の演技に喰われまくりで役にハマりきれてない感じが
天然な千早に振り回されてイケメンになりきれない太一というキャラに
よく合っていたと思いました。

そして真剣佑くんがイケメンすぎた。
黒髪メガネのイケメンと聞いたら
もう新くんとディーン藤岡演じたドSな上司しか思い浮かばない。
10年遅く生まれていたらきっとマッケンマッケン騒いでいたに違いない。

 

映画では雅な和歌の数々が物語にコクを加えています。

 

ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは

このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに

人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける

もろともにあはれと思え山桜 花よりほかに知る人もなし

瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ

 

どれも映画の中でアクセントとなる濃厚で素敵な歌でした。
中学生の時、国語の時間に好きな和歌を一つ選んで発表しましょうという授業があって
恥ずかしくて恋の歌を選べなくて

山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり

っていう自然の美しさを詠った和歌を無難に選んだ思い出が甦りました。
あのときもっと素直になってロマンチックな歌を選んでいればよかった。

1000年前も今も変わらず人の心に訴える和歌。
この国の人々はきっといにしえからロマンチストで妄想たくましい人々に違いない。
なんつーか感情的な部分は1000年前も今もきっと全く進化してないんですね。

 

来年は『ちはやふる』の続編と
すずちゃん主演の『チアダン』という青春映画が公開されるそうで
ずっと先の話ではあるけれど、楽しみが一つ増えたのでありました。

 

 

 

なんか机くん要素が強い動画だけど新と机くんは全く別の人物なので!
(黒髪メガネかぶりで観る前に見分けがつかなかった)